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zoom RSS 夏色四片 第17話

<<   作成日時 : 2007/10/03 00:17   >>

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港町ラ・ロシェールまでは、馬を替えながら飛ばして一日弱。
早朝に出れば、夜半には着く計算になる。
無論、タバサの風竜が空を駆ける速さは馬のそれとは比較にならないが、三人も乗せていれば負担も大きい。
――か、どうかは。
背中で弾む会話に混ざりたそうな顔の、風竜本人に聞かねば分からないが。



「昼前には、アルビオンに着いてるんでしょ?」
「らしいね」
「で、その任務とやらで半日かかったとしても、また飛んで帰ってくるとしたら」
タバサが、ぱたんと本を閉じる。
「夕方くらいに、港町で合流する可能性もある」
「そうよねえ」
あるか分からない横槍を、防ぐ暇や必要なんてあるのだろうか?
「知らないけどさ」
疑わしげな視線を向けられたロングビルは、肩を竦める。
「それならそれでいいんじゃない? 合流出来るなら、護衛って肩書きに変わるだけさ」
姫殿下のお墨付きだし、と彼女は笑った。
確かに、公には出来ない話だとしても、トリステイン王家の危機を救う事に関われる。
自尊心を刺激するが、

「わたしはこの国の人間じゃないしねー」
「同じく」
とキュルケとタバサは同じような表情で呟いた。
国の裏事情に他国の者が絡んで、良い結果になる事はあまり無いのだ。国によっては口封じされかねない。
「そういや、わたしもこの国の出じゃないんだよね」
「あら、そうなの」
キュルケは目を丸くした。
「その割には随分と馴染んでるし、こんなに乗り気なのは変ね。リンディだって嫌いなんでしょ?」
「嫌いというか……わたしからすりゃ、あんたたちの方が信じられないよ」
何であんな化け物と平然と話せるのさ? そう問われてタバサも首を傾げる。
「悪い人じゃない、から?」
「いやそんな疑問形で返されてもさ」
ロングビルは顔を引き攣らせた。叩きのめされた経験を持つ身としては、頷けようはずもない。
「まあ、わたしが今回の件に手を貸すのは、あの子の為かもね」
「あの子――って、ルイズ?」
キュルケは予想外の答えに身を乗り出した。
「まさか結婚してない理由って、女の子の方が好きだから?」
「……もう一度言ってごらん。地べたに叩き落とすよ」
ギッ、と音が聞こえるような目で睨むロングビル。
「そうじゃなくってさ。あの位の子が王族だの裏だのに関わっても、良い事は無いってこと」
「ふうん。まるで妹の心配をするような口振りね」

「そうかも、しれないね」
意外なほど神妙な声に、キュルケは思わず口を噤んだ。
遙かアルビオンの方へ向けられた彼女の視線は、含まれた感情が多過ぎて本音は見えない。
(盗賊なんてやってたんだから、色々あるのかしら)
視線で同意を求めると、タバサは無言で頷いた。

途中、ついに拗ねて飛ばなくなった風竜をタバサが宥めていたのは、以前にもあったような光景だが。
やはり以前の様に余談である。




「さあて」
キュルケは眼下の様子に、楽しげに頷いた。
港町入口付近の高台に見えるのは、物騒な人影が多数。
様々な武器を抱えており、夜も深まっていないのに物々しい。どちらかと言えば傭兵の類か。
少なくとも、こんな場所で得られる微々たる成果で、賄える人数ではないだろう。
「一応、山賊に見えるわね。……あれって、やっぱり偶然だと思う?」
「貴族を襲わないってんなら、偶然だろうね」
欠片も信じてない口調の返答がくる。
「それは経験からなの? 平気で貴族の屋敷を襲ってたって聞いたけど」
「わたしは逆だったけどさ、普通は相手を選ぶもんなんだよ」
いくら盗賊でも、メイジに喧嘩を売るリスクは理解しているはずだ。
金は手にはいるだろうが――それ以上の確率で命を失うとあっては、誰でも二の足を踏む。
飛び道具を用いた、遠距離からの奇襲を試みるぐらいが精々か。
「盗賊の中にもメイジはいるから、全く無いとは言わないけどさ」
少々無理があり過ぎる。

しかも、このタイミングで港町に来る相手を待ち構えるような布陣。

「どうするの?」
議論を完全に聞き流していたタバサが、淡々と言った。
彼女からすれば意味がないのだろう。この状況を予想したからこそ、迂回して港町上空から背後に回ったのだから。
限りなく怪しいし、そうでなくとも追い払う以外の選択肢は無い。
こちらがいる山の方が少々高い位置にある。しかも薄暮に背後から。奇襲には好条件である。
「やるなら早い方がいい」
「ただ、あれが誰かさんの雇った連中だとは思えないんだよ」
「そうなのよねー。グリフォンが先に到着してたとしても、雇う時間があったとは思えないし」
結局の所、問題点はそれである。

先行したワルドが雇ったにしては、展開が早過ぎる。
おそらくは港町に潜伏していた協力者がいるはずだ。だが、いたとして、どうやって情報が伝わったのか。
王女がルイズに依頼したのは昨晩。どう考えても間に合わない。
以前から王女がルイズに頼む事を決めていて、それが外部に漏れていたのなら?
その場合、この対応では余りにお粗末だ。殺す気なら他の方法や機会は幾らでもあった。
さらに言うなら――ワルドがそこまで愚かな男とは思えない。
衛士隊長は愚人には務まらないのだから。



「あー、やめやめ」
頭を掻きながら、キュルケは諦めたように首を振った。
「誰が雇ったかとか、組織だって動いてるのかとか、ワルドがどこにいるのかとか――面倒よ」
捕まえれば分かる、と同意したタバサと軽く拳を合わせる。
風竜に飛び乗った二人に、ロングビルは苦笑した。
「中にはメイジがいるかもしれないよ。あたしを後詰めに回したからには、上手くやってみせな」
「そっちこそ、後ろから撃たないでよ?」
軽く交わされた言葉を残し、彼女たちはそれぞれ大地を蹴った。


      ◆   ◆   ◆


同じ夕刻。
トリステイン魔法学院の外れ、学舎の影が重なる間隙に、学院長オスマンは足を踏み入れた。
人目を避けるには絶好の場所だとは思うが、些か寒い。
「ふーむ」
彼は髭を撫でながら嘆いた。

目の前には、平伏した平民が一人。草の上とはいえ、地面に直接では足が痛かろう。

「とにかく顔を上げてくれんか。これでは話もできん」
「……は、はい」
か細い声の返事。
だが、恐怖のせいで身体が震えているのが分かる。顔を上げる気配も無い。
当然だ。そもそも貴族というだけで畏怖の対象なのだ。
その貴族が大勢集うこの学院の、頂点に立つ存在を前にしているのである。
こんな失礼な方法で呼び出したのだ。一つ間違えば、この場で処分されてしまうかもしれない。
――などと、それ程の恐怖を感じていてもおかしくなかった。

「ま、仕方なかろ」
オスマンはあっさり言うと、持っていた細長い包みを彼女の前に置いた。
「約束じゃからな。『破壊の杖』の代わりに預かっていた物だが、杖自体も元々は預かり物じゃった」
意味を知る者に対して、こうして渡すことは随分昔から決まっていた事だ。
事情も理由も、聞くつもりは毛頭なかった。
「じゃがな」
安堵しかけた肩が、再び震える。
彼は目の前の少女が、ミス・ヴァリエールの使い魔と、最近よく一緒にいる事を思い出した。
(無関係と考える方が不自然じゃな)
聞かぬとは決めたが、言わねばならない事もある。
「それは使う者にも極めて危険な代物だと聞いておる。『極めて』じゃ。この意味が分かるかの?」
「――け、怪我じゃ済まないかも、と聞いてます」
(ほう)
オスマンは少し驚いた。
恐怖に震えている少女が、死への覚悟を見据えている事に。
それが例え単なる虚勢だとしても、言葉の響きに嘘は無かった。
「ならばもう何も言わんよ。それで何を起こしてもかまわん。後は任せなさい」
彼はそう言うと、来た時と同じ歩調で歩き始める。

背後からの、少女が駆け去っていく音を聞きながら。
――どうせ墓を作る位じゃろ、という言葉を、オスマンは胸中に飲み込んだ。


      ◆   ◆   ◆


(何て言えばいいのかしら。早く帰れ、でもないし)
ルイズはぶつぶつと呟きながら、寝室の扉の前に立っている。
客間は質素な雰囲気とはいえ、それなりに広い。本来は国賓用なのだろう。
確かに立場的には妥当だが、部屋の入口から寝室の扉まで距離があるのは、今日に限っては困るのだ。
せっかく決心したのに、色々と考えてしまうではないか。
案内してきたウェールズに礼をして下がって頂いた後、彼女は緊張した面持ちのまま動けなくなった。

リンディを故郷に帰すという事は、使い魔としての契約を破棄するという事だ。
言うは簡単。しかし。
使い魔と主人が別れるのは、死んだ時だけのはず。
(な、なんか他の方法ってあるのかしら)
少なくとも、自分と、あの場に居合わせたコルベール教師は知らない。

使い魔のまま帰ってもらうという選択は?
それだと自分はもう一生、使い魔を持てない可能性がある。それは残念ながら我慢する……けど?
ルイズは、部屋で一人で寝る光景を思い浮かべた。
何故だろうか。その、やたら寒々とした雰囲気に身を震わせる。
使い魔のいない生活とは、それほど寂しいものなのだろうか。
そこまで考えて、彼女は頭を抱え込んだ。
(そうじゃないでしょ。何よ、わたしったら。さっきから言い訳ばっかりしてる)

いなくて寂しいのは『使い魔』ではない。
いつもベッドで一緒に寝ている、姉のような女性。
寝るまでの時間、柔らかい表情で黙々と編み物をしている姿は、不思議と心を穏やかにしてくれる。
授業中の愚痴にも付き合ってくれるし、食後はお茶を入れてくれたり。かなーり甘めで。
シエスタと一緒にお菓子を作っては、楽しそうに配り歩いていたりもしてる。
一番先に味見させて貰うのは、いつも自分だけど。

僅かな時間に、これだけの思い出が心を占めている事を改めて実感する。
先程から、二の足を踏んでいるのは当たり前だ。
リンディ・ハラオウンは、既に使い魔じゃないのかもしれない。
家族――それが浮かんだ瞬間、ルイズは自分の頬をぱちんと叩いた。

「バカじゃないの? リンディはただの使い魔。だから、いなくなっても平気なんだから!」
口から出た言葉が本音かどうかなんて知らない。知りたくもない。
とにかく、誓ったのだから。
そう自らに言い聞かせて、扉に手を掛けた時。

「――!? やべえ、開けんな!」
「開けちゃダメ!」

狼狽したようなデルフの声。
そしてリンディの、今まで聞いたことのない――悲鳴のような声に愕然として、
「リンディ!?」
ルイズは、忠告を無視して扉を開けた。


      ◆   ◆   ◆


突風が襲った。

転びそうになり、慌てて開けたばかりの扉にしがみつく。
ついでに、襲いかかってきた強烈な違和感にも気付いた。これはつい最近経験した感覚だ。
「結界――なんで?」
「あいつ、しくじりやがった」
横を見ると、部屋の隅にデルフが転がっていた。投げ付けられたかのように、無造作に捨てられている。
床に広がるのは、部屋一杯の大きさに描かれた魔法陣。
いつものようにゆっくりと回転しているが、その輝きは一際強い。
そしてその中心点には。

「何よ、あれ」
前方に見えるベッド。その上で蹲るのは、胸を苦しそうに押さえたリンディだった。
押さえた箇所を中心に、小さな魔法陣が幾つも回転している。まるで内側の物を封じ込める様に。
何を封じ込めようとしているかは一目瞭然だ。
この強烈な風。
風、と言うより緑色の光の帯が、彼女から辺り構わず吹き出している。

近付こうとしたが、頭の脇を通り過ぎた光に驚き、すぐに屈み込んだ。
そのまま這ってデルフと合流する。
掴み上げ、鞘から完全に抜き払って問い詰めた。
「ど、どうなってんのこれ」
「いや、本当は一人で結界に閉じ籠もるつもりだったらしいんだが、部屋丸ごとに張っちまったらしい」
「じゃなくって、この状態の事を聞いてんのよ!」
「あー……」
一瞬、彼は沈黙した。
リンディの様子を窺ったが、彼女は既に意識が朦朧としているのか、こちらの会話は全く耳に入っていないようだ。
「……体調が悪いって言ったろ? 仮の相棒は今、そのせいで魔力制御が難しくなってんのさ」

「わたしの、せい?」
ルイズは衝撃で声を震わせた。
確かにリンディには無理をさせている。あまりにも彼女が平気そうな顔をしているから、結局頼り続けてしまったのだ。
だけど、そんなに体調が悪いっていうなら、素直に言って欲しいのに。
何で彼女は、そういう事で自分を頼ってくれないんだろう。
そんなに自分は、子供に見えるんだろうか。

罪悪感と悔しさに思考が沈みそうになるが、無理矢理そこから引き上げる。
今は考える時じゃない。
「制御が難しく、――って、何だってこんなことになるの?」
「オレだって詳しくは知らねえ。とにかく、貯め込んじまった魔力が、不完全な魔法となって吹き出してる」
このままだとヤバイ、との言葉に、ルイズは顔を引きつらせた。
口調で分かる。危険なのはリンディだけではない。この結界内全体だ。
いや。
背筋を冷たいものが流れていく。
今の口調だと、リンディが大怪我とか――最悪、それ以上の事態もあり得る?
「な、なんとかなんないの?」
「仮の相棒は、意識を失いかけてる。この状態で完全に気絶しちまうのは最悪だ」
つまり。
「じゃあ、意識をはっきりさせれば、何とか出来るっていうのね?」
「今だけな。それも、あいつの頑張り次第だけど」

「お、おい?」
無言で立ち上がったルイズは、そのまま一気に走り出した。
襲いかかってきた光を必死に避けると、さらに距離を詰めようとして、
「ちょ、ちょっと、何これ?」
身体全体を襲った風に足を止める。
どうやら目に見える光の帯は激流というだけで、中心部は全方位に渡って――
「きゃあっ?!」
動きを止めてしまった彼女を、別の光が直撃する。
風の魔法を食らったかのように吹き飛ばされ、勢いよく壁に叩き付けられた。



「〜〜〜〜!!」
床に転がった彼女は、息すら出来ずに転げ回る。
が、強引に身体を立て直すと、
「い、痛くなんかないわよっ!」
と雄叫びを上げた。
「元気だね、お前さんは」
真横から、感心したような声が掛かる。
「そんなことはどうでもいいのよっ! 何あれ? リンディの周り、嵐みたいになってて近付けないわ」
「参ったな、そりゃ」
「しし、しかもよ」
ルイズは憤然と辺りを見回した。
あれだけの風が吹いているのに、客間の家具は微動だにしていない。極めて理不尽だ。
八つ当たりされたデルフが、以前聞いたことを伝える。
「ああ、何でも仮の相棒は、魔法の使い分けが出来るんだと。物をぶっ壊す時と、そうでない時で」
「そうでない時って?」
「非殺傷設定、だっけか。生き物とかだけに干渉して、気絶させたり出来るってよ」
魔力を削られて、さっきよか疲れてねえか? と聞かれたルイズは、足に震えが来ている事に気付いた。
怖いわけではなく、長い距離を走った直後のような疲労感によるものだ。
「まずいわね……」
唇を噛んだ。あの嵐を突破するには、この足じゃ厳しいかもしれない。
もう一度光の帯に当たったら、言われた通りに気絶してしまう可能性もある。
(だいたい反則なのよ。あんな派手な光なのに、物を壊さないで生き物だけにって――)
「あれ?」
首を傾げる。
「リンディが投げたわけじゃないわよね。なんで、あんたまで飛ばされてんの?」
「あ?」
「あんた、物でしょ? 干渉されないはずよね」

沈黙。

返事を諦めたルイズが走り出そうとした時、
「思い出したあ!」
「び、びっくりさせないでよ!」
怒鳴り返した彼女に、デルフは興奮したように続ける。
「魔法の直撃なんざ久しぶりだったから、思い出せなかったんだよ。相棒にも恵まれてねえし!」
「だから何なのよ」
「いいから、おめ、俺を構えろ。何とか出来るかもしれねえぞ」
「は?」
妙な事を言いだしたデルフに、ルイズは混乱した。

言われた通りに、取り敢えず手に取った。構え方と言われてもよく分からない。
「次に光の帯が来たら、俺をかざしてみな」
「何言ってんの、あんた」
「不完全っつーても、あれだって魔法だかんな。不本意だが面白い状況には違いねえ」
「だから――」
「ほら、来たぜ!」
気付くと、眼前には波打った光が迫っていて。
思わず目を閉じたルイズは、悲鳴を上げながらデルフを振りかざしていた。


      ◆   ◆   ◆


予想された衝撃は来なかった。

(ど、どうなったの?)
恐る恐る目を開けると。
光り輝く刀身が視界に映った。今まさに研ぎ上げられたばかりのような長剣。
それは自分が無様に掲げている物で。
「あんた、デルフ?」
「おうよ。これが俺の本当の姿さ。聞いてくれるか? 昔飽き飽きしてた時に――」
「とにかく!」
話を叩っ斬ると、ルイズはリンディの方へと向き直った。
「あんたは魔法を防げるのね?」
「お、おう。あいつの魔法は少し変わってるから、半分も吸収出来ねえが――斬るくらいは出来るかもな」
デルフは即答した。
愚痴を聞いてもらえなかった不満は、彼女の剣幕に流されたのだろう。
「それなら。――待ってなさいよ」
「行くか? よっしゃ。おーい相棒、『仮』は取ってやるから、ご主人様の為にもう少し頑張んな!」
視線と声が、前方へと向けられた。


二人の意志が揃う。
小柄な体格に見合った敏捷さで、ルイズは床すれすれまで姿勢を下げて走り出した。
そのタイミングに合わせるように、前方に新たな光が出現する。
無論、動揺している暇すら無く。
唐突に吹き出してきた帯を、彼女は転がるように避けた。
急いで身を起こした途端、右! との声に無我夢中で剣を向ける。
斬った、のだろう。
余波だけが身体の脇を通り過ぎた。

そして前には、嵐のように渦巻く風の壁。
これに真正面から逆らっては、おそらく這うような速度でしか進めない。
とても剣一本でどうにか出来るとは思えなかった。
だが。
目に映るのは、苦痛に顔を歪め、苦しんでいる彼女の姿。
「任せたわよっ!」
ルイズは大上段に振りかぶると、デルフを叩き付ける。


風が止んだのは、ほんの一瞬。
すぐにも新たな魔力流で覆われてしまうだろう僅かな間隙。それは子供一人が入れるほどの小さな空間。
それでも、彼女にとっては充分だ。

「――リンディ!」
剣を投げ捨てたルイズは、己が使い魔を全身で抱きしめていた。










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