空色硯 sorairo-suzuri

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<<   作成日時 : 2008/07/05 14:19   >>

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「すたあぁぁらいとぅ――――」



大きく振り上げられたレイジングハートが、きらりと陽の光を反射する。
雄々しく、力強いその光景は見慣れたもので。

(やっぱりなのはは、かっこいいなあ)

フェイトは、ほのぼのとした心地でそれを眺めていた。

10年以上前に経験してから、もう何度もこんな感覚を味わっている。
手足をがっちりとバインドで拘束された上、眼前でこれ見よがしの魔力集束。
塵も残さず消し飛ばされるという説得力。

何というか――恐怖そのもの?

口元が引き攣るのに、わくわくする気持ちを抑えきれないのは何故だろう?


「ぶれいかあああぁ――――――!」
「キャ――――――――――!!!」


桜色の膨大な魔力に吹き飛ばされながら。
フェイトは、悲鳴とも歓喜ともつかない叫びを残していった。




「「フェ、フェイトさ――――ん!!」」

訓練場の向こう――遙か遠くの沖に沈んでいく義母。
エリオとキャロは、慌ててフリードに飛び乗った。

溺れるなんてカケラも思わないが、あの辺りは少し深いのだ。引き上げ作業は面倒で困る。



「あんな、集束魔法は身体に負担になるんちゃうか?」
「なるんですけどねー」

はやての問いに、のほほんと答えるシャマル。

「言うてもムダか」
「はい。はやてちゃんのそれと同じです」

腕を組んだまま、シャマルはペン先をそこに向けた。

「……そらどういう意味や?」
「どれだけ頑張って矯正しようとしても、無理な物は無理という事です」

にんまりと笑うシャマル。
はやては思わず右手を突き出した。すかさずいつもの装備がリインから手渡される――

「?」
はずだが、反応が無い。

「リイン?」
「はいです」
「アレは?」
「さっきシグナムに返したです。今日はお出かけ予定なのですよ」
「あー……」

はやては頭を抱えた。

昨晩、ティアナと一緒にツーリングに出掛けたヴァイスは、今朝になっても戻って来なかったのだ。
六課に顔を出したのは昼前。
いくら午前がオフだったとしても、二人揃っての出勤は人目を惹いた。

まあ何も無かったとは思うが――本日午後、一緒に聖王協会に出向く事になっているシグナムとしては、言いたい事もあるだろう。

「と言うよりも、シグナムとしては結婚式場選びのつもりですからねー」
「……せやな。早いトコ決めてもらわんと刃傷沙汰や」

黒い笑みのシャマルを睨んだ後、はやては呆れたように苦笑する。

そもそもヴァイスの腰が軽過ぎる。
ティアナにアルト、シグナムの三竦みがどうなるのか、課内でも結論を出せる者はいないのだ。

ちなみに。
『後ろから刺される』と予想しているのは、シグナムを除く隊長格全員。

「焦ってるのがもろバレや。あれやとキープ要員にされてもおかしくないやん」
「はやてちゃんじゃあるまいし、彼はそこまで考えるようなタイプじゃ――」
「無論、無いわ」

はやてはきっぱりと言い切った。



あれは単なる考え無しだから。

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