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zoom RSS 藤桜 ― 冬 ― 第七話

<<   作成日時 : 2009/02/14 23:58   >>

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「じゃあ、戻られたらお伝えしておくね」
通信を切ったフェイトは、一度大きく頷くと、満面の笑顔で振り向いた。
「ティアナ、聞いた?」
「はい」
「凄く嬉しいけど、三佐とスバルに伝えられないのが、少し残念かな」
「そうですね」
作業を続けながら、ティアナも同意の笑みを浮かべる。

ギンガ・ナカジマが目を覚ましたという朗報は、民間協力者から連絡を受けた、医務官によってもたらされた。
念の為、それなりに高位ランク魔導師の彼女自身は接触せず、代わりにアリサが確認しに行くとのこと。
もちろん問答無用な立候補。多少の懸念は指摘するだけ無駄である。
大家には、店子の様子を見に行く権利があるのだそうだ。
「アリサさん、ずっと気にしてたんですよね」
「うん。凄く怖かった」
何度か聞かされていた事を確認すると、フェイトは困ったように苦笑した。
「怖い?」
「あまり気にしないでって言ったら、怒鳴られちゃったよ」
「なるほど」
これを気にせずにいられるか、などと胸を張る姿が目に浮かぶ。
(スバルやギンガさんだけじゃないのよね)
あの人も、違った意味で真っ直ぐだから。
花壇用の土を作っていたティアナは、外した手袋とざるを置いて背伸びをした。
ギンガが寝かせておいた分は、本人に確認した方が良さそうだ。長いこと天日に晒されて、色味が変わってきているから。
向こうはともかく、こちらは実に良い天気。
「確認だけでしたら、他に方法もありそうですけどね」
「携帯で撮った写真は送ってもらったみたい。でも、それじゃつまんないんだって」
「そういう事なら、今日にも飛んで行きそうですけど」
本日中は無理となると――相当イライラしてるかもしれない。


「仕方ないよ。旅行中なんだもの」
正確には学会で、今は遙か西の方。勝手に抜け出せる立場ではないから、戻れても明日の昼だろう。
フェイトの実家にも連絡が行っているのだが、魔導師はお呼びでないから意味が無い。
義姉のエイミィは、子供たちの世話で過労満載な状態だし。
「母さんもアルフも、結構忙しいんだよね。私だけ暇でいいのかなあ」
「次元航行部隊はそういうものだって、クロノ提督も言ってたじゃないですか」
多忙と休暇が交互に編み込まれるのは、どこの『船乗り』でも同じらしい。
もっとも、ここのところデスクワークも山積みだ。明日からは、また外部監査済の書類に埋もれることになる。
「フェイトさんは予定無かったんですか?」
「……無いってわけじゃなかったけど」
親友の教導官は、例によって娘と無限書庫訪問中である。
お弁当を作っていったらしいから、今頃は微笑ましい光景が繰り広げられているはず。
幾ら暇だからって、そこにお邪魔するなんてとんでもない。

色々と迷った挙げ句。
同じように暇していたティアナと連れ立って、ナカジマ家にお邪魔したわけだ。

本日、当主は不在。
鍵は預かっているし、好きに上がれと許可も得ているから、二人して掃除三昧と決め込んだ。
広い家なので、結構やり甲斐がある。それに、掃除は取り掛かるまでは億劫だが、いざ始めてしまうと意外に楽しい。
早々に室内を終わらせた後は、のんびりと庭掃除を進めている。
管理者のギンガが不在の間、自分たちを含め数人が訪れ、花壇の手入れは絶やさなかった。
「だけど、ティアナは遊びに行っても良かったんだよ」
「そうも思ったんですけどねー。スバルがああだと、どうにも遊びにくいというか」
微妙な表情で、肩を竦める彼女。

先程の朗報は、家族には伝えていない。手段が無いのである。

ティアナと休日の予定を合わせていたはずのスバルは、緊急任務で呼び出され、今は遙か沖合の海底で熱水湧出域と格闘中。
一部の機材が使えず、捜索には相当時間が掛かりそうだ。私的な連絡が取れるのは明日以降か。
「ギンガさんから預かっているブリッツキャリバーも、何だか張り切ってたみたいです」
「マッハキャリバーと同じで、真面目だね」
「そういう所はナカジマ家の一員って気がします。……三佐だって、過労気味ですから」
「そうだね」
ゲンヤは、いつもの如く偉い人たちと交戦中だ。
密室の中で行われる、武器を使わぬ激しい舌戦は、水入りも制限時間も無いから大変である。
以前と異なり建設的な方向には進むのだが、それでも各部署の長たちの意見は、そう簡単には纏まらない。
的を射た危機意識も、過ぎると業務の優先順位が些か見え難くなるようで。
当然ながら。その真っ直中にいる人には、緊急以外の連絡など通らない。

だけど。
「疲れて帰ってきたところに、良い知らせですからね」
「一番の薬かもしれないよね」

その時の様子を想像して、二人は楽しそうに微笑んだ。


      ◆   ◆   ◆


少々間が抜けたモノになったことは否めないが、だからと言って再会の嬉しさが減るものでもなく。
怪しげに迫る女子大生と、迎え撃つ寝間着の姫君。
二人の笑いながらの口喧嘩は、呆れた蓉子が口を挟むまで続いたらしい。


結果は別として、
(お医者さんと会ってた時には、もう起きてたって事だもんなあ。蓉子も人が悪いよ)
せめて携帯で知らせてくれれば、あの人と一緒に喜べたとも思うのだが――それは仕方ないか。
電話で伝えるより、直接対面させたいという気持ちも、分からなくはないから。
それに、報告自体は電話一本で事足りた。
相手からは、歓喜と同時に慌ただしさも感じたので、今頃は関係各所への連絡で忙しいはず。
後の指示については、当分様子見だそうだ。無論、外出も禁止。
(今までが今までだから、無難な選択かな)
当事者の様子からすると、直ぐにでも職場復帰を選びそうな感じだけど。

その彼女は、蓉子と何やら話をしている。

「……それ、本当に美味しいの?」
「美味しいですよ。もう一杯入れてくるつもりですけど、蓉子さまも如何ですか?」
「私は、食後のケーキと紅茶を楽しみにしてるから、今は遠慮しておくわね」
「分かりました。それでは、私と聖さまの分を用意してきます」
「へ?」
いきなり話を振られた聖は、慌てて少し前の記憶を呼び戻した。

食卓を埋めたおでんを、談笑しながら三人でつついていた時のことだ。
蓉子の用意した熱い緑茶に、ギンガは角砂糖とコーヒー用クリームを放り込んだのである。
唖然とする二人の様子に気付かず、やたら美味しそうに味わう彼女。

混乱しそうになったが――よく考えると、海外でそういう飲み方をする話は聞いたことがある。
他にも、苦かったり辛かったりする飲み物は、様々なアレンジをされるそうだ。
飲み物に限らず料理も同じ。微妙な現地化が馴染まれる秘訣だと、どこかの雑誌に書いてあった覚えもある。
ましてや、海外どころではない遠い世界の住人では。

(誰が文句言うわけでもないから、好きにしていいけどさ)
鰯つみれを頬張りながら、目の前に置かれた湯飲みを見下ろした。
何でも、職場の大先輩に教わった飲み方で、その先輩とは自分が知っている人の母親とのこと。
誰だろうなあと金髪の女性三人を思い浮かべてみる。が、予想出来る程には知らないから諦めた。
さて。
はっきり言って、どんな味なのか興味はある。
某アイスクリームブランドのグリーンティーみたいな感じを想像するが、クリームと角砂糖となれば話は異なるはずだ。
未知の味ではあっても、組み合わせ的には悪くない。当たり外れで言えば当たり寄り。
しかし、おでんと合わなそうな、味覚がずれそうな気もするわけで。
(こういった新しいものに挑戦するのって、蓉子も好きそうなのに)
見掛けに反してチャレンジ精神旺盛な元紅薔薇さまだが、今回は見送るようだ。
――先手を譲られたとなると、今更後にも引けまい。
甘い物が、如何に疲れを癒す良薬であるとしても。果たして、この後のケーキと紅茶にどう影響するのか。
あるいは即効性を発揮し、おでんを賞味中の舌に直撃するのか。


(これは悩みどころですな)
難しい飲み物を提供してくれた人と、どう判断するのかを観察する人の視線を感じながら。
聖は、重々しく腕を組んだ。


      ◆   ◆   ◆


(いつ頃、戻れるのかな。スバルはすぐにでも会いたいだろうけど)
整えた花壇に水を撒きながら、ティアナは以前の事を思い浮かべる。
自分は遠く離れた場所に居たので、あの事故当日の状況は伝聞でしか知らない。

瓦礫の中からギンガ・ナカジマが救出された時には、事故発生から四半日は過ぎていた。
フェイトが医療センターに運んだ時点で、既に絶望的な状態だったのである。
執務官から連絡を受けたシグナムにより、強引に連れ戻されたシャマル医務官。
現場から同行したユーノ司書長、地上本部から駆け付けたマリエル技官。その助手として、居合わせたフィニーノ補佐官。
単に治癒魔法に長けているだけではなく、ギンガの特異な体質に対応出来る者が本局から他にも数名。
その一人でも欠けていれば、生還は有り得なかっただろう。

その後、様々な事があった。

しかし、そこから回復したという結果が全てだと思う。
(細かいことはいいのよ)
スバルが信じているように、ティアナとて凛々しくも優しい先輩を信じている。無事に復帰する事は織り込み済み。
問題はその時期である。
「ギンガさんなら、明日戻るって言っても不思議じゃないですね」
「だけど、シャマルはしばらく様子を見るって言ってたから、戻ってくるのは当分先になる可能性もあるよ」
「その辺は、シャマル先生の意見よりもマリーさんでしょう」

「そうかもしれないね」
フェイトは、先日本局で会ったマリエル技官を思い浮かべた。
大体、患者と直接会えないとしても、モニター越しで話すくらいなら問題無さそうに思える。
シャマルとマリエルが殊更に慎重な対応を選ぶのは、絶対にミスは許されないと考えたからだろう。
本人に対してもそうだが、待ちわびる家族に、ぬか喜びをさせたくないのだ。

特にマリエルは、以前から自分の治療が原因ではないかと、深刻に悩んでいた。
――禁じ手とも言える提案をする程に。

「三佐に伝えてみたんだ。ギンガを彼に診させることも、考慮に入れるべきだって」
「……ジェイル・スカリエッティ」
「あっさり断られちゃったけどね」
眉を顰めるティアナに、フェイトは自嘲するように苦笑した。

JS事件の主犯、そして不世出の万能科学者。
収監後、管理局に協力する姿勢を一切見せない彼が、その膨大な知識と技術を披露する機会は無い。
だが、興味を引くような素材を提供したらどうだろうか。
例えば。
以前彼が手を加え、今は何らかの――管理局ですら解明出来ぬ問題を抱えた者では?
興に乗って腕を見せてくれるとしたら、以後も何らかの貢献を期待出来るかもしれない。

「そんな底意があるんじゃないかって、怒られそうになったよ」
「三佐が、マリーさんとフェイトさんを疑ったって事じゃ……ないですね。技術部門に対する危惧でしょうか」
「相手が犯罪者でも、才能と知識を惜しむ人はいるんだ。何かを追い求める心って、たまに止められなくなるから」
方向性が異なるとしても、自分の『生母』だって含まれる。
他にも幾人かの心当たりを思い出して、フェイトは溜息を吐いた。
「本気で疑ったというよりも、多分、釘を差したんじゃないかな」
「上の人たちにですか?」
「それもあるけど。きっと、マリーさんを含めた私たちに、だよ」
その言葉の裏側には、俺の娘はそんなに弱くないという信頼も透けて見えた。

ああいう所は、本当に『お父さん』だと思うのだ。

お父さん。
二人にとって、それは口に出したことのない言葉である。少なくとも、誰かをその意味で呼んだ記憶は残ってなかった。
ティアナは物心つく前に事故で失い、フェイトに至っては遺伝上の情報でしかない。
知識としての親とは異なる、言い表せない感覚と不思議な憧憬を伴う相手。
仕事上の大先輩であるゲンヤ・ナカジマは、彼女たちにとって、何故か見上げてみたくなる存在と言えた。

(歳が離れてるからかなあ)
一応、身近に兄という二児の父親はいるのだが、あの人はどっちかと言うと『お兄ちゃん』だから。
なのはやアリサの父親とも会っているのに、こういう感覚は感じなかった。
みんな、見た目が若いからかもしれない。
「……それ、三佐が老けてるからって意味に聞こえますよ。御本人が聞いても、怒らないでしょうけど」
「こ、声に出てた!?」
「ええ。ばっちり」
蒼くなるフェイトに、澄ました顔で頷くティアナ。
だが、彼女はふっと表情を和らげた。
「あたしの場合は、亡くなった兄が父親代わりでした。でも、やっぱり兄は兄で。そう考えると、フェイトさんと同じかも」
「そっか」
「思うんですよね。兄弟姉妹ほど身近じゃなくて、母親ほど側には居なくて」
「小さい時はともかく、大きくなったら家でもあまり喋らない」
「仕事が忙しくて、帰ってくるのが遅いことも多い。一日中顔を見ないこともあったりする」

「だけど、それでもお父さんはお父さんなんだろうね」
何となくギンガとスバルが羨ましくなって、彼女たちは陽光の中に佇む屋敷を見上げた。
一人で過ごすには広い家で、二人の娘の行く末を見届けるということ。
見届けてくれるということ。
「シャーリーに言われたからじゃないけど、お父さんって本当に……」
「本当に?」
問われたフェイトは、その後を続けなかった。




折角来たのだから、何か作り置きしておこうと相談し始めた頃。
唐突でお気楽な念話が飛び込んでくる。
『フェイトちゃん! 今日暇かー?』
「はやて!? 何で? どこにいるの?」
『今日はお休みでな、久し振りにクラナガンに来とるんよ。けど、ロッサもなのはちゃんも予定あるんやて』
ついでに、リイン以外の家族全員、仕事で出払っているらしい。
「それはそうだよ。自分だって、今週はお休み無いかもって言ってなかった?」
『ちゃっちゃと片付けたに決まっとるやん。っちゅうことで、遊んでー』

「うーん」
遊んでと言われても、今はそれなりに忙しい。
ティアナと視線を合わせると、何故か悪戯っぽい笑みが返ってくる。
指し示された先には、積まれた食材。そこそこ量は有るのだが、バリエーションと人手が足りない。
と、なると。

『ごめん、はやて。今はティアナと一緒にお料理してるから、手が離せないんだ』
『そか。……ん? 料理?』
『うん。今日はお煮しめを見て貰おうと思って。日持ちもするから、多少残っても大丈夫だしね』
『ちょお待ち!』
事前に与えられた情報の齟齬に気付き、相手は憤然と食って掛かった。
『どこで何しとるんか丸分かりや! ナカジマ三佐、会議から上がったんか!?』
「そんな直ぐに終わるわけないって言ったの、はやてだよ?」
などと露骨にとぼける執務官。

『……ほほう。私だけ、仲間外れにするつもりなんか。ほんなら、こっちにも考えがあるで?』
首洗って待っときやー、と捨て台詞を残して念話は切れた。


「策士だね、ティアナ」
「フェイトさんだって、見事な演技だったと思うんですけどね」
どちらが主犯かというと、微妙なところ。
食材を揃える為にショッピングモールへ急行中の人が聞いたら、どっちも主犯やと主張するだろう。
もちろん、本当は騙くらかす事が主題ではない。
休暇中の特別捜査官に、思わぬ朗報を伝えてあげたくなったのだ。あの様子だと、シャマルから聞いていないようだから。
こっちに来る途中で聞くかもしれないが、それならそれで。
「喜ぶ姿が見たいって気持ちは分かります」
「優秀な補佐官の御理解を頂けて感謝。二人揃って、元部隊長に怒られようか」
とにかく。
仲間内でトップクラスの料理人が加勢してくれるのは間違いない。
「料理はみんなでした方が楽しいし」
「それに、作り過ぎても大丈夫ですよ。スバルだったら、話を聞いて飛んで帰ってくるでしょう」
「場合によっては、ギンガも早く帰ってくるかもしれない」
「そしたら、みんな集まって大騒ぎですよね」
出来上がった料理だって、みんなで食べた方が何倍も美味しいのだ。


(でも、向こうでも何かお祝いしてるかもしれないな)
フェイトは、庭に植えた花を思い出した。
外来種だから、育てるのは制限付きだけど――上手く咲かせれば、あれほど見事な花もない。
その花の名を冠した女性と、初めて会ったのは月の無い夜。
ギンガが連れてきた民間協力者であり、彼女が向こうで初めて得た友人だった。
見掛けは印象的な美人。中身はそれ以上に風変わりな女性らしく、直接会った事のあるスバルとシャマルが、難しい顔で褒めていた。
普通の人っぽいのに、色々な意味で凄い人だそうだ。
根拠は無いのだが、だからこそギンガとの繋がりを保てたという気もする。
人の出逢いは、そういうものだから。

(昨日はクリスマスだったっけ)
もしかしたら。一日遅れた聖誕祭を口実に、宴会じみた事をしているかも。
やや気の早い平癒を祝う名目で、振り回されているギンガの姿が、何となく目に浮かんだ。

今回の回復が、恒常的な物となる保証は一切無い。
それでも――確信を込めた願いを呟くと、フェイトは窓の外を眺めた。
こちらは、突き抜けるような青い空。
向こうはきっと、雪でも降りそうな曇り空。
空模様が異なるのは、別に異世界に限ったことではないと思う。
執務官として様々な場所を飛び回っている彼女には、それが当たり前の事として実感出来た。
同じ世界の、ほんの少し離れた場所にも、全く違う光景が広がっている。会ったこともない人々がいる。
その中には、自分と親友たちの様な大きな力を持った者同士の、引き寄せられるような出逢いがある。

だけど、ささやかな縁は、その何倍も転がっているのだ。

(帰ってきたら聞いてみよう)
この二ヶ月程の間に、本当は何があったのか。唯一接点を残した彼女との縁は、どういうものだったのか。
待つ方にだって、それくらいの役得があっていい。
「今日明日で帰ってこなくても、お祝いの準備はしたいな」
「お見舞いに行けませんでしたからね。その分、盛大にやりたいって意欲が湧いてきます」
「同感」
無理矢理にでも盛大にしてくれる人も来ることだし。



この家の姉妹と父親が、再び全員揃って食卓を囲める日は近いだろう。
生真面目だが気さくな父と、真っ直ぐな二人の娘。
その場に居合わせる事が出来なくとも、そんな家庭が身近にあるというだけで、何故か嬉しくなる。
(クロノも、歳を取ったらああなるのかな)
二人の子供たちと義姉に囲まれた、如何にも父親然とした――初老の兄。
その姿が、どうしても想像出来ないから。

「同じお父さんでも、人それぞれってことだよね」
「はい?」
首を傾げたティアナの前で。
フェイトは、つい子供の様に笑っていた。










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